「泥の機能や環境教育」松本教授が語るDROASの魅力と環境へのヒント
「DROASobi~どろのふしぎ体験プログラム~」を監修いただいた環境教育の第一人者 松本一郎教授と、開発担当の渡部寛也が「泥の機能や環境教育」について対談を実施しました。
島根大学 学術研究院 教育学系
松本 一郎 教授
1991年島根大学大学院を修了後、民間企業にて地球資源・環境についての調査研究に携わる。1996年金沢大学にて博士(理学)の学位を取得。2001年より同職。SDGs/ESD、ジオパーク、天体学習、防災教育に尽力。幼稚園などでの泥だんご保育にも力を入れている。SDGs担当の学長補佐を担っている。
DROAS 商品企画開発担当
渡部 寛也
DROAS担当としてスキンケアからヘアケアまで幅広い商品開発を担う。ブランドコンセプトに基づいた成分選定や使用感評価を通じて、一つひとつの商品に丁寧に向き合う姿勢を大切にしている。開発チームの中核として、日々研究や商品企画に励み、ブランドの成長を支えている。
泥とは何か?種類と役割について
渡部
まず、泥について教えてください。
松本教授
地球はいわば、泥と水の惑星です。泥は石が砕かれたものでありますが、有機物が混ざり、水と合わさると植物や動物が育つ環境、つまり生き物のベースとなります。
また、泥と一言で言っても種類があります。玄武岩・鉄・マグネシウム、白いのはカリウムやナトリウムが含まれているものもありますよね。
DROASの鍵、泥のブレンドと吸着力
松本教授
DROASも製品化する中で、泥の組み合わせを考えているわけでしょう?
渡部
はい、その通りです。それぞれのアイテムを開発するたびに、実現したい効果に応じて数種類の泥を選定し、バランスを考えます。
DROASは泥の持つ性質のうち、特に「吸着力」を製品に活用していることが多いのですが、泥の吸着力について、先生はどうお考えですか?
松本教授
泥には「水と一緒にいると陽イオンを吸着していく効果」がありますね。選択的に吸着を行ったり、金属を取り囲んだり。
泥の性質を利用して、例えば土壌汚染の時に投入することで重金属を回収することもできます。粘土を探すと鉱床が見つかることがあるなど、資源も泥のゆりかごに包まれて誕生しているわけです。
多孔質な泥が、不純物などを吸着するパワーを考えると、泥を化粧品の素材とすることは理にかなっていると感じます。不要なものを受け取り、代わりに何かを渡すような、やりとりが生まれているというか。
私たちを汚す泥もあれば、きれいにする泥もあるのが面白いところですね。
環境教育の出発点としての泥の価値
渡部
先生は長きにわたり、泥だんごづくりを通した教育活動に取り組んでいらっしゃいますよね。そんなことからDROASobi(ドロアソビ)にご協力いただくことになったわけですが…
松本教授
環境教育において、泥に触れることが基本であると考えています。泥の感触、泥そのものを感じてみる。はじめはまとまらない泥が、握るうちに塊になり、泥だんごになる。
泥の働きは、砂や礫には真似ができないものです。雨が降って流れ、運搬され、堆積した砂と細かなシルトに、分解者の働きで有機成分が混じる。こうして粘り気のある泥になると、植物が育つことができるようになります。
泥から田んぼや畑が育まれ、そこでできた食べものを食べて、僕たちは生きているんです。ですので「泥は環境教育の始まり」と考えています。
最後に
渡部
最後に、DROASに興味を持ってくださるみなさまへ、メッセージをお願いいたします。
松本教授
理屈がわかっていると、より効果が理解できますよね。知識として泥本来の魅力的な効果を吸収し、その上でアイテムを使うことでさらなる恩恵が期待できると思います。
泥がなければ地球は循環しませんから…
ちなみに、私の一番気に入っているのはクレイクリアウォッシュです。